iso tank - 私生活 2006年 02月

今朝も雪が降りました

今朝も雪が降りました、昨日の朝も雪はちらちらと降っていました、明朝も雪は降るでしょう。

この地域では、雪は忌み嫌われるのが当たり前で、それもそのはず、降るたび降るたびに疲れた腰を 今一度もう一度と持ち上げて、また雪を掻き出し、下ろし、掃かなくてはなりませんから。

ともすれば、家の玄関先に自分の背丈より高い雪の壁柱を築き上げたり、屋根に、肩まで浸かれそうなどっぷりとした雪風呂を こさえている家を見るたび、「ああ、大変なんだな・・・」と、同情はすれこそ、「こっちには崩れてくるなよ」と、物言わぬ雪に 向かって、心の中で念を押しておくものです。ええ、可愛いのは我が身でございますから。

ところで、昨日はちらちらとした雪が降っていました。ちらちらとはどのような様子かと言いますと、粒が細かく雨気が多く、 ハラハラとは落ちずピューといった具合に落ちる、つまり小さくとも重く湿り気のある雪でした。服に触れるや否やたちまち儚く 溶け消えてしまう雪でした。侘びも寂びも無くただ濡れそぼってしまうだけの、実につまらない雪でした。

しかし今日の雪は違います。今朝はここ最近の中で一番の冷え込みでした。雪も一つ一つの粒が大きく、2月の雪ですので やや湿り気はあるものの、図体が大きいためはらはらと舞い落ちるのです。

そのハラハラとした様を、空から白い塵ごみが落ちてくるようにも、千切れた白い花弁が落ちてくるようにも想像を膨らませ ながら、この大きなものがただ静かに、ただ静かに降っている様を、仕事場へ向かうほんの数分の間、やや上を見ながら歩いて ただ歩いて、歩いて、歩いてきました。

以上が、かような拙筆をしたためる気になった理由でございます。