iso tank - 私生活 2007年 02月

光速の異名を持ち重力を自在(略

遠出したついでにCD屋に寄って欲しいCDを探した。 洋楽で、アーティストの名は"Rod Stewart"。かすれ声がイイ。 洋楽というのはそろっているようでなかなか見つからないもので、 どうせここにもないだろう、とぼんやりと探していたら「R」の棚に見事に鎮座していたから困る。 あった。素早く手に取りレジに一直線する。これはラッキー。これはついてる。 帰りの車の中で録音しつつ聴き浸ろう。

「いらっしゃいませ」。妄想から現実に呼び戻され見上げると、女店員、デカっ!  しかしよく周りを見ると店員みんなデカい。しかしそこは巨人の国ということでもなんでもなく、 レジの中が一段高くなってるだけだということにはさすがの俺もすぐに(2秒くらい)気づいた。 その間俺の顔はさぞかしポカンとしてたろうが気にしない。だがよくよく見てみると、 他の店員よりも背が高い。俺がポカンとしていたのも無理はない。だってデカいんだもの。 これって理由になりますよね。というわけでCDを受け取って帰る。あれ? ちょっと待て。違和感。

ここでまっとうなガノタ(ガンダムオタクの略である)であれば「この感覚…シャアか!」 とでも言ったろう。だが俺が感じた違和感は事後に感じたそれなのであって、 シャアにぶった斬られてから「この感覚…シャアか!」と言ったのでは末代まで馬鹿にされるのです。

で、今のレジ何秒かかった? いや、『レジを何秒で終えたのだ』? 俺は思い返す。 トレーストレース。ピーン。計算完了。どう考えても10秒ちょっともかかってない。 ような…あり得るのか? 駅売店、いわゆるキヨスクのような、淀みないやり取りだった。 この上背。この速度。女…並みの者ではない。

でもよく考えたら上記キヨスクまたはそれに類する何かで働いてたか、 もしくはベテラン店員だったのかもしれない。そうだよねそうだよね、さー帰ろ。 俺は帰った。これはフラグじゃない。 ここから新しい物語も、世界を破滅から救う再生の旅も始まることはない。